日立製作所とイタリア・フィンメカニカ社(Finmeccanica S.p.A.)は24日、フィンメカニカ社傘下のアンサルドブレダ社の事業、およびフィンメカニカ社が保有するアンサルドSTS社の全株式について、日立が買収する契約を締結したと発表した。
フィンメカニカ社は、イタリア・ローマに所在し、世界22か国に362の営業所と製造拠点を有するハイテク分野の製造会社。傘下のアンサルドSTS社はイタリア・ジェノバに所在する。事業内容は、貨物・旅客・地上鉄道や地下鉄向けの信号装置や制御システムの設計、実装、管理など。アンサルドブレダ社は鉄道業界で150年の歴史を有するイタリア・ナポリの企業。
フィンメカニカ社の主要事業は、ヘリコプター、防衛システム、航空・宇宙産業、交通システムなど。同社はグループの再編を通じて市場競争力の強化に取り組んでおり、航空、防衛、セキュリティー事業に注力したい同社と、鉄道システム事業におけるポートフォリオを拡大したい日立の思惑が一致したことで、今回の契約締結に至った。
アンサルドSTS社株式の買取合計価格は7.73億ユーロ(約1044億円)。日立は本買収に関する正式契約が締結された後、イタリアの法律に基づき、アンサルドSTS社の残りの株式について公開買い付け(TOB)を実施する予定。アンサルドブレダ社、およびフィンメカニカ社が保有する不動産を合計した買取価格は3600万ユーロ(約48.6億円)。
今回の買収は、独占禁止法当局による認可手続きなどの諸条件の整備を進め、2015年後半に行われる見込み。