日立製作所は23日、子会社の日立レールヨーロッパ社が、英国の鉄道運行会社「FirstGroup plc」(ファーストグループ社)から標準型都市間車両「AT-300」の納入に関する優先交渉権を獲得したと発表した。英国運輸省の承認を条件に、ファーストグループ社の子会社である「First Great Western Limited」(ファースト・グレート・ウェスタン社)が運営する英国南西部の路線に向けて納入する。
AT-300は、2012年に同社が受注したDfTの都市間高速鉄道計画(IEP)向けに設計された「Class 800」シリーズをベースに開発されたディーゼル車両。ロンドン~ニューベリー間の電化区間に加え、プリマス~ペンザンス間の非電化区間をディーゼルエンジン付き発電機からの電力を使用して走行するため、IEP向けの車両よりも大型の燃料タンクを備える。
優先交渉権を獲得したAT-300の車両数は、9両編成電車7編成、5両編成電車22編成の合計173両(29編成)。英国都市部のロンドン・パディントンから英国南西部のプリマスおよびペンザンスを結ぶ主要路線向けに、新たな都市間高速車両として投入される。また、オプションとして30編成が追加される可能性がある。
今回の優先交渉権の獲得により、AT-300の納入車両数は、既に受注しているClass395の174両(29編成)、Class800シリーズの866両(122編成)とあわせ、合計1213両(180編成)となる。