三菱重工交通機器エンジニアリングは22日、改良型マルチドア対応ホームドア「どこでもドア」を開発、三菱重工業の三原製作所和田沖工場内で運用検証試験を開始したと発表した。
改良型どこでもドアは、国土交通省の鉄道技術開発費補助金を活用して開発。安全機能と停車位置のずれ幅への適応力を高め、列車の扉数・扉位置が異なる車両(2、3、4扉車)にも正確に対応する。安全対策では、人や荷物を感知するエリア検知センサにより、音声による注意勧告を行うとともに、扉の開閉動作を抑止。開閉機構を内蔵した支柱にプロジェクターまたはLEDを設置することで、扉の強化ガラス部に警告文字を投映するほか、光による警告を表示できるようにした。
扉にテレスコピックタイプ(2段伸縮の入れ子方式)を採用し、戸袋幅を限界まで縮めると同時に開閉幅を広げた戸袋付ドアもラインアップ。支柱(戸袋なし)タイプのドアと組み合わせることで、より大きい停車位置のずれにも対応できる。
和田沖工場には試験設備として、模擬車両とともに約30メートルのプラットホーム状スペースに戸袋付ドアと支柱タイプドアを組み合わせて設置。2016年3月末まで1年間の予定で、ホームドアのさらなる普及促進に向けた各種課題に対する有効性について検証するとしている。