JR西日本は28日、683系特急用車両85両を289系に形式変更し、特急「くろしお」、「こうのとり」、「きのさき」、「はしだて」に投入すると発表した。
形式変更する683系車両は、2015年3月のダイヤ改正前まで特急「しらさぎ」で使用していたもの。交流・直流の両方の電化方式に対応する683系車両のうち、同85両については、交流用機器の使用を停止し、形式を変更。289系とし、直流区間に投入する。289系の導入数は、京都・大阪地区と和歌山・南紀地区を結ぶ特急「くろしお」に6両編成5本、3両編成3本の計39両、新大阪駅と北近畿地区を結ぶ特急「こうのとり」と、京都駅と同地区を結ぶ特急「きのさき」、「はしだて」に4両編成7本、3両編成6本の計46両。これら4つの特急列車で使用している381系車両を順次置き換える。置き換えにより、同特急列車はすべて、JR発足後に製造された車両になる。
289系は、2011年にデビューした287系に次ぐ形式。289系では381系にはなかった設備として、多目的室や車イス対応トイレのほか、各客室最前後部の壁のコンセントが設置されており、トイレの様式も381系の和式から洋式に変わる。
置き換えられる381系は、1973年から1982年にかけて製造された特急用電車。曲線区間でもスピードを保てる振子式を最初に実用化した形式で、中央本線、紀勢本線、伯備線などに投入された。381系の関西地区からの引退により、同形式の特急列車は岡山~出雲市間の「やくも」のみとなる。