三菱商事と日立製作所は18日、ミャンマー国鉄と鉄道信号システム一式に関する正式契約を締結したと発表した。契約金額は約24億円で、プロジェクトには国際協力機構(JICA)の無償資金協力による資金が供与される。設備の納入完了は2017年6月末の予定。
今回、三菱商事と日立がミャンマー国鉄に供給する鉄道信号システムは、列車の在線位置情報を指令所にて一元的に把握するための列車中央監視装置や、列車を安全に運行するための信号灯や分岐器を制御する電子連動装置、列車の接近により自動的に警報を作動させる踏切自動警報装置などで、据付工事までを実施する。導入区間は、ミャンマーの旧首都であったヤンゴンとマンダレーを結ぶ主要鉄道幹線の一部で、ヤンゴン中央駅からピュンタザ駅までの約140キロの区間。
ミャンマーの鉄道は老朽化が進み、輸送サービスの質と安全性の向上が喫緊の課題となっている。ミャンマー国内では、将来案件としてヤンゴン環状線の近代化、ヤンゴン~マンダレー路線の全区間の近代化など、複数の鉄道プロジェクトが計画されており、両社は今回の受注を皮切りに、今後もミャンマーでの将来案件の受注に向けて積極的に取り組んでいくとしている。