鉄道友の会は21日、2015年の「ブルーリボン賞」にJR東日本E7系・JR西日本W7系、「ローレル賞」にJR東日本EV-E301系と箱根登山鉄道3000形を選定した。
JR東日本E7系・JR西日本W7系は、両社が共同で開発した北陸新幹線向けの新幹線車両で、E7系は2014年3月、W7系は2015年3月の各ダイヤ改正日にあわせて導入。北陸新幹線では、30パーミルの急勾配が連続する区間のほか、電源周波数の切り換え箇所が3つあるなど厳しい条件があり、これら条件下でも高い安全性、信頼性を確保していることが評価された。加えて、外装に日本の伝統色を使い、車体上部は空色、車体はアイボリーホワイト、車体中央の帯は銅色と空色とするなど、「“和”の未来」をコンセプトとするデザインで、北陸新幹線を強くアピールしたことも選定理由となった。
JR東日本のEV-E301系「ACCUM(アキュム)」は、2014年3月15日に、烏山線を含む宇都宮~烏山間で営業運転を開始。車両にリチウムイオン電池を搭載し、電化区間の宇都宮~宝積寺間の走行時や、烏山駅に設置された充電設備から、パンタグラフを通して充電する方法を採用。電化されていない区間を蓄電池の電力で走行でき、非電化路線鉄道の新しい動力方式を実用化した意義が評価され、選定された。
箱根登山鉄道3000形は、1989年の2000系「サンモリッツ号」以来の新型車両で、愛称は「アレグラ号」。車両前面に大型ガラス、側面に大きな展望窓を設け、箱根の景観を四方から楽しめるようにするなど、デザイン性が高く、電圧システムやブレーキなどで最新の技術を採用。観光地・箱根のイメージアップに貢献したことが評価された。
ブルーリボン賞は、毎年1回、前年に営業運転についた新型車両または改造車両から、鉄道友の会の会員が投票し、「ブルーリボン賞・ローレル賞選考委員会」が優秀と認めた車両に贈られる。昨年は、ブルーリボン賞に近畿日本鉄道50000系「しまかぜ」が、ローレル賞には、JR東日本E6系、福井鉄道F1000形「FUKURAM」が選定。ローレル賞は、2年連続で複数の受賞となった。