東京メトロは21日、発明協会による2015年度全国発明表彰において、「鉄道車両用の操舵台車の発明(特許第5512108号)」により「発明賞」を受賞したと発表した。
同発明は、東京メトロと新日鐵住金の共同研究・開発によって実現。通常の台車は、2本ある車軸が平行に固定されているため、曲線通過時には車輪とレールの摩擦により騒音や振動が発生するが、本発明の操舵台車は、自動車がカーブに沿ってハンドルを切るように、曲線通過時に片方の車軸が自動的に舵を切る仕組みになっている。その結果、車輪とレールの摩擦が減少し、騒音と振動が抑えられ、通常の台車よりも曲線をスムーズに走行することが可能となった。
本発明技術を適用した操舵台車付き車両と従来台車付き車両を急曲線区間で試験走行させたところ、横圧はマイナス30パーセントまで低減し、騒音(きしり音)も大幅に低下。レール振動の低減、消費電力の低減、走行抵抗の低減も確認され、操舵台車導入により急曲線の多い地下鉄線内をよりスムーズに走行させることが可能になったとしている。
表彰式は6月17日(水)、ホテルオークラ東京にて開催される。