JR東海は6月25日、パワー半導体素子に次世代半導体である炭化ケイ素(SiC)を採用した新幹線車両用駆動システムを開発したと発表した。実用化の目処が立ったため、今後東海道新幹線への導入を検討するという。
同駆動システムは、N700系の駆動システムと比べて、約20パーセント(1編成あたり10トン程度)の軽量化と、更なる小型化を実現した。これにより車両設計の自由度が向上するほか、半導体における損失の低減によってモーターの小型軽量化が可能になり、省エネルギーな駆動を実現するとしている。
同社は2014年、同システムの試作に着手し、2015年5月からは同システム搭載の「N700系」の試験車両を用いて走行試験を実施している。高速鉄道の駆動システムにSiC素子を採用しての走行は世界初という。