日立製作所は30日、英国における鉄道システム事業会社である日立レールヨーロッパ社が、鉄道運行会社のFirstGroup plc(ファーストグループ社)と、標準型都市間車両「AT-300」173両(29編成)の納入および車両の保守に関する正式契約を締結したと発表した。
同契約は、英国都市部のロンドン・パディントンから英国南西部のプリマスおよびペンザンスを結ぶ主要路線で利用されている高速車両の置き換えに関するもの。同路線はファーストグループ社の子会社であるFirst Great Western Limiteにより運営されている。日立レールヨーロッパ社が2015年3月に、英国運輸省の承認を条件にファーストグループ社から優先交渉権を獲得していた。
「AT-300」は、2012年に受注した英国運輸省の都市間高速鉄道計画向けに設計されたClass 800シリーズをベースに開発された。ロンドン~ニューベリー間の電化区間に加え、プリマス~ペンザンス間の非電化区間で走行できるよう、車両の床下にディーゼルエンジン付き発電機を装備しているほか、他の都市間高速鉄道計画向けの車両よりもエンジンの出力を向上させ、大型の燃料タンクを備えているのが特徴。5両編成電車を組み合わせて10両(2編成)にするなど、運行計画に合わせて車両編成をフレキシブルに構成して運行させることが可能。
今回、日立が納入する車両数は、9両編成電車7編成と5両編成電車22編成の計173両(29編成)。今回の受注獲得により、標準型都市間車両「AT-300」の納入車両数は、既に受注しているClass 395の174両(29編成)やClass 800シリーズの866両(122編成)と合わせ、合計1213両(180編成)となる。