JR北海道は10日、留萌本線の留萌~増毛間(16.7キロ)について、2016年度中に廃止する意向を沿線自治体に伝えたと発表した。
留萌本線は、深川~増毛間(66.8キロ)の路線で、1921年に全線が開業。同社はこのうち、日本海沿岸の留萌~増毛間(16.7キロ)について廃止方針を決定し、同意向を留萌市長、増毛町長に伝えた。2014年度の同区間の利用客数は、1キロあたり1日平均39人で、同社が発足した1987年度の同480人に比べ、12分の1以下に減少。JR北海道の中で極めて少ない線区になっている。2013年度は、年間約1億6000万円以上の赤字を計上。同区間では自然災害が多く、将来的な防災工事費を含め、鉄道事業を維持するのが困難とし、今回の廃止決定となった。
留萌~増毛間は、春先に雪や土砂が流入しやすくなるほか、大雨による土砂崩れが起こりやすくなるなど、自然災害が多いのが特徴。2005年3月、2012年3月には列車脱線事故があり、2015年の冬期には、雪崩の危険があるとして、約2か月間、同区間の運転をとりやめた。留萌~増毛間の現在の一日の運転本数は上り7本、下り6本の合計13本。並行する路線バスは、22本が運行している。
同区間が廃止されると、JR北海道の路線では、2014年5月の江差線木古内~江差間の廃止に次ぐものとなる。