東武鉄道は10日、蒸気機関車C11形207号機を鬼怒川線下今市~鬼怒川温泉間で運転すると発表した。2017年度をめどに運転を始める予定。
導入するC11形207号機は、JR北海道が所有する蒸気機関車(SL)。JR北海道から借り受ける形で導入する。運転区間は、鬼怒川線の下今市~鬼怒川温泉間(12.4キロ)。SLの運転により、鉄道産業文化遺産の復元、保存と、日光・鬼怒川地区の活性化を図るとしている。運転開始時期は、2017年度の予定。
C11形蒸気機関車207号機は、1941年に日立製作所笠戸工場で製造され、北海道で使われていた。1974年の引退後は静態保存されていたが、2000年にJR北海道が動態保存機として運転を開始。「SLニセコ号」をはじめ、「SL冬の湿原号」、「SL函館大沼号」などのけん引機として活躍した。JR北海道が札幌・道南エリアでのSL運行を休止したことにより、同機は2014年11月で退いていた。
東武鉄道のSLは、1899年に導入したPeacock(ピーコック)社製のA1形が最初。1947年には60台のSLがあったが、1966年、佐野線での運転を最後に全廃した。今回のC11形の導入により、同社線でのSL運転が約50年ぶりに復活することとなる。