JR東海は9日、在来線の検測専用車両「ドクター東海」2編成の機能を向上させると発表した。
「ドクター東海」は、JR東海の在来線用の検測専用車両。線路、電力、信号通信の各設備を検測する専用車両で、気動車キハ75系をベースにした3両編成2本が運用されている。今回の機能向上は、同車両の検測装置が取り換え時期を迎えたことによるもので、約24億円をかけて行う。線路設備の状態確認、電力設備の監視、沿線状況監視カメラについて、それぞれ機能向上を実施。線路設備の状態確認では、カメラ画像を使った画像処理から、2次元レーザーによるセンサーを用い、線路のボルトの緩みを高精度で測定する方法に変更する。電力設備の監視は、現行のパンタグラフの監視カメラ1台のほかに、電車線金具監視カメラを新たに3台設置。4台のカメラで、多方向から設備状態を把握できるようにする。運転台に搭載している沿線状況監視カメラでは、画素数を現行の40万画素から200万画素に高め、収録画像を高画質化する。
更新したドクター東海は、2016年度初頭、2017年度初頭に1編成ずつ使用を始める予定。