国土交通省鉄道局は7日、富山市、富山ライトレール、富山地方鉄道が申請していた「軌道運送高度化実施計画」の変更を認定した。変更内容は、富山ライトレールの富山駅高架下への延伸、同線一部区間の複線化と停留場の新設など。
認定された軌道運送高度化実施計画の変更は、富山市、富山ライトレール、富山地方鉄道が国土交通省に対して申請していたもので、富山ライトレール富山港線と富山地方鉄道市内軌道線との直通運転を前提とした工事が主体。申請対象の区間は、同計画の第2期区間で、富山ライトレールの富山駅北~奥田中学校前間(約1.1キロ)と、富山駅北停留場から富山駅高架下までの延伸区間(約90メートル)合計約1.2キロ。国土交通省鉄道局は、2015年12月7日(月)に、3者からの計画変更を認定した。今回の認定を受け、富山市と富山ライトレールでは、同区間の整備を始める。事業費は約20億円。
整備にあたって、鉄道施設の保有事業者と列車の運行事業者を分ける上下分離方式に転換することも認定された。富山市が軌道や車両を保有し、富山ライトレールが列車の運行を担う形にする。上下分離の対象区間は、第2期区間にあたる富山駅高架下から奥田中学校前停留場までの軌道。富山駅高架下の停留場は、2015年3月に開業した富山地方鉄道市内軌道線の富山駅停留場との共用とし、同軌道線と富山ライトレールの列車との南北直通運転を始める。富山ライトレールの現行の起点である富山駅北停留場は、富山駅停留場に移設する形で廃止に。また、インテック本社前~奥田中学校前間に新たな停留場として、永楽町停留場(仮称)を設け、同停留場と奥田中学校前停留場までの区間(約340メートル)を複線化する。富山市と富山ライトレールは、同複線化の工事を2016年度から2020年度にかけて実施。富山駅北~富山駅間の延伸工事は、2018年度から2019年度にかけて行う。同計画に伴う開業予定時期は、2020年度。開業後は、平日66本、休日62本を運行し、オフピーク時間帯に、2本に1本の割合で直通運転を行う。
このほか、富山ライトレールが保有する既存車両の富山市への譲渡、ライトレール車両1編成の増備についても認定された。