JRグループは18日、2016年春のダイヤ改正の概要を発表した。
新幹線では、北海道新幹線の新青森~新函館北斗間が開業し、東北新幹線との直通運転が始まる。一方、青函トンネルを経由する現行の在来線旅客列車が廃止になり、ダイヤ改正日に先だち、寝台特急「カシオペア」、特急「スーパー白鳥」、急行「はまなす」などが姿を消す。在来線特急は、列車の廃止や、運転区間の短縮などがあり、普通列車では、JR東海管内の国鉄型気動車引退、JR西日本227系電車の運転区間拡大など、ダイヤ改正に伴う動きがある。改正日は2016年3月26日(土)。
新幹線では、北海道新幹線の新青森~新函館北斗間が開業する。東北新幹線と北海道新幹線との直通運転が始まり、列車名には「はやぶさ」と「はやて」が充てられる。北海道新幹線区間を走る列車は、あわせて13往復で、このうち10往復が東京~新函館北斗間を直通する「はやぶさ」。新青森駅に乗り入れる現行の「はやぶさ」の半数以上が北海道新幹線に直通することになる。東京~新函館北斗間は、最短4時間2分で結ぶ。このほか新幹線では、東海道新幹線が、早朝、深夜時間帯の「こだま」計5本で時速285キロ運転を始める。
在来線特急列車では、上野~札幌間の寝台特急「カシオペア」、青森~札幌間の急行「はまなす」、新青森~函館間の特急列車「スーパー白鳥」と「白鳥」が廃止となる。「はまなす」の廃止により、JRの定期急行列車は姿を消すことになる。廃止は北海道新幹線開業に伴うもので、青函トンネルを経由する現行の在来線旅客列車は、すべて運転をとりやめる。なお、青函トンネルの地上設備の切り換え作業に伴い、青函トンネルを走る在来線旅客列車の運転は、3月21日が最後となる。北海道新幹線開業に関連して、函館~札幌間の特急「スーパー北斗」は、キハ261系1000代を新たに投入し、3往復増発する。特急「北斗」とあわせ12往復となり、全列車が新函館北斗駅に停車。下り列車では、おおむね10~20分で新幹線へ乗り継げるようになる。特急「すずらん」も1往復増発し、このうち下り列車では、現行の急行「はまなす」と同じ札幌駅22時発を設定する。
このほかの在来線特急では、熊本~人吉間の「くまがわ」、川内~鹿児島中央間の「川内エクスプレス」を廃止するほか、「あかぎ」と「スワローあかぎ」は、前橋~新宿間で各1本を廃止。同区間で運用している185系車両での運転をやめ、「あかぎ」と「スワローあかぎ」は651系車両に統一する。「しおかぜ」は、岡山~松山間4往復を8600系車両での運転とし、同特急をすべて電車化する。「スーパーカムイ」は快速「エアポート」との直通運転をとりやめるほか、「草津」は長野原草津口~万座・鹿沢口間、「しなの」は名古屋~大阪間、「九州横断特急」は熊本~人吉間の各区間で運転を終了する。「はるか」は、日中時間帯で30分間隔の運転に戻すほか、朝、夜間の一部列車を高槻駅に停車させる。大阪~金沢間を結ぶ「サンダーバード」は、1往復を増発する。
在来線の普通・快速列車では、函館~新函館北斗間のアクセス列車「はこだてライナー」が営業運転を始める。五稜郭~新函館北斗間の電化とともに、733系1000代を投入し、16往復を設定。新函館北斗駅ですべての新幹線と接続させ、おおむね10~20分で乗り継げるようにする。近畿エリアでは、新快速の運用を変更。日中時間帯の赤穂線直通を廃止するほか、高槻駅、芦屋駅、三ノ宮駅での新快速と普通列車との接続をやめる。高槻駅では、新快速用ホームの供用を開始する。広島エリアでは、平日の日中時間帯を227系車両で統一。同車両の山陽本線での運転区間も福山~徳山間に拡大する。西条~広島~岩国間では、快速「シティライナー」を土曜・休日に新たに運転する。北海道エリアでは、キハ40系の廃車に伴い、普通列車の運用を見直し、函館本線、室蘭本線、根室本線などの計79本で、廃止や区間短縮を行う。JR東海管内のキハ40系は、紀勢本線、参宮線での運用を終了。同社管内の国鉄型気動車はすべて姿を消す。また、東海道本線では、大垣~姫路間などの列車で2社間を直通する列車3往復を廃止する。第三セクターでは、JR北海道から経営分離される並行在来線、道南いさりび鉄道が3月26日に開業。江差線の木古内~五稜郭間を引き継ぐ。
JRで新たに開業する駅は、北海道新幹線の奥津軽いまべつ、木古内、新函館北斗の3駅のほか、仙石線の石巻あゆみ野駅、南武支線の小田栄駅、JR神戸線の摩耶駅、東姫路駅、鹿児島本線の西熊本駅の5駅。一方で、山田線の大志田駅、浅岸駅、北海道の十三里、東追分、花咲、鷲ノ巣、上白滝、旧白滝、下白滝、金華の8駅が利用の少ない駅として、廃止される。