日立製作所は22日、グループ会社の日立レールイタリア社が、英国のグレート・ウェスタン・レールウェイ社が運営する路線に向けた標準型都市間車両「AT-300」を、イタリア北部のピストイア工場で生産すると発表した。日立レールイタリア社は、2015年11月、日立がイタリアのフィンメカニカ社から買収した企業。
日立レールイタリア社は、2015年7月、ファースト・グレート・ウェスタン社と、英国のロンドン・パディントンから英国南西部のプリマスおよびペンザンスを結ぶ主要路線向けに、標準型都市間車両「AT-300」173両(29編成)の納入および車両の保守に関する正式契約を締結。今回、納入する車両の生産拠点をイタリア北部のピストイア工場に決定した。
納入する「AT-300」は、2012年に受注した英国運輸省向けに設計されたClass 800シリーズがベース。車両の床下にディーゼルエンジン付き発電機を装備しており、非電化区間でも走行可能。英国西部のデボン州やコーンウォール州での急勾配に対応すべく、エンジン出力を英国運輸省向けの車両よりも向上させている。
納入する車両数は、9両編成電車7編成と5両編成電車22編成の計173両(29編成)。5両編成電車を組み合わせて10両にするなど、運行計画に合わせて車両編成をフレキシブルに構成して運行することができる。