国土交通省は22日、東北新幹線、上越新幹線、山陽新幹線の土木構造物の状況、JR東日本やJR西日本の財務状況など審査し、両社に対して新幹線の大規模改修引当金積立計画の作成を求めることを発表した。
国交省は、東北・上越新幹線と山陽新幹線は開業から43年を迎えるため、将来、経年や高速走行等の影響による構造物の劣化等が進むと予想。将来にわたる東北・上越新幹線及び山陽新幹線の安定輸送の確保のため、大規模改修が必要となるとした。
同省の試算によると、橋りょうやトンネル等において、東北・上越新幹線については、将来、総額約1兆円程度の費用、山陽新幹線については、将来、約1500億円程度の費用を要する大規模改修が必要となる。その上で、JR東日本、JR西日本の営業収益、経常利益、長期債務の残高等に照らして、将来にわたり東北・上越新幹線、山陽新幹線の安定的な輸送を確保するため、一定額を予め引当金として積み立てさせることが必要かつ適当だとした。
今回の指定により、JR東日本、JR西日本は6か月以内に、新幹線鉄道大規模改修引当金積立計画を作成し、国土交通大臣の承認を受ける必要がある。この計画を踏まえて、工事費、工事期間、積立額、積立期間が確定することになる。