三菱重工業は3日、三菱商事と共同で、シンガポールのチャンギ国際空港で運行している新交通システムの輸送力増強工事を受注したと発表した。ゴムタイヤ式全自動無人運転車両(APM:Automated People Mover)の新車両納入を中心に設備増強を行う。工事完了は2019年の予定。
チャンギ空港のAPMシステムは、3か所ある空港ターミナル間を結ぶ約6.4キロの路線。2007年に完成した。同空港は東南アジア有数のハブ空港で、乗降客数が年々増加している。2018年には空港ターミナルに隣接する大型商業施設が完成する予定で、さらなる乗降客数の増加が予想されるため、APMシステムの輸送力増強が急務となっていた。完成以来の運行実績や、アフターサービス対応などが評価され、今回の受注に至った。
受注内容は、新車両の納入と、信号設備や運転制御システムの改良、増設など。三菱重工業は、システム全体の改良設計、新車両の設計、製造、納入のほか、機器供給、据付工事などを担当する。
三菱重工業は、今後も、新規路線だけでなく既存路線の改造・輸送力増強工事を含め、さらなる受注拡大に向け積極的な営業活動を展開していくとしている。