東武鉄道は21日、鬼怒川線に導入する蒸気機関車(SL)列車の車両や関連する施設の概要を発表した。また、導入予定時期を2017年夏とすることも明らかにした。
導入するSL列車は、鬼怒川線下今市~鬼怒川温泉間(12.4キロ)で運転するもの。蒸気機関車は、JR北海道からC11形207号機を借り受けることを同社は2015年8月に発表していたが、今回、SL列車で使用するそのほかの車両について明らかにした。SL以外の使用車両は、車掌車2両、客車6両、ディーゼル機関車(DL)とし、いずれも譲渡という形で導入。車掌車はJR貨物の「ヨ8634」とJR西日本の「ヨ8709」を2016年6月ごろに譲り受け、客車はJR四国の国鉄形客車14系「スハフ14-1」、「スハフ14-5」、「オハフ15-1」、「オハ14-1」、同12系「オロ12-5」、「オロ12-10」を同9月ごろに受け入れる。DLは、JR東日本のDE10形1099号機を同12月ごろに譲り受ける。SL列車は、これらの中から組み合わせ、SL、車掌車、客車3両、DLの6両編成にする予定。客車の座席定員は、約200席にする。
また、SL列車の導入にあたり、同社は転車台、SLの検修庫を整備。転車台は、かつて国鉄が使用していた長門市駅転車台と三次駅転車台をJR西日本から2016年10月ごろに譲り受ける。長門市駅転車台は下今市駅に、三次駅転車台は鬼怒川温泉駅にそれぞれ設置。両駅で機関車の方向転換ができるようにする。SLの検修庫は、SLの各種検査を行う施設で、南栗橋車両管区に新設。同社では、C11形207号機を同8月ごろに受け入れた後、同検修庫で整備、検修を行い、同管区内でSLの訓練運転を実施するとしている。
SL列車は、2017年4月ごろに鬼怒川線で試運転を実施。同年夏をめどに運転を開始する。下今市~鬼怒川温泉間を約35分かけて走り、土曜・休日を中心に年間最大で140日程度運転する予定。
このほか、下今市駅の全面的な改修も実施。SLが走っていた時代を思い起こさせるレトロ調のデザインにし、駅構内にはSLの姿を間近で見学できるエリアを整備する。