近畿日本鉄道、養老鉄道と、養老鉄道沿線の3市4町は6日、養老線桑名~揖斐間の事業形態を変更し、線路の所有会社を近鉄から新法人に移行することを主旨とする確認書を交換した。
今回取り交わした確認書は、養老線の事業形態の変更に関するもの。同線沿線の三重県桑名市、岐阜県海津市、大垣市、養老町、神戸町、揖斐川町、池田町の3市4町と、近鉄、養老鉄道の2社との間で2016年3月1日に交わした合意に基づき、5月6日に確認書を交換する形で事業形態の変更が決まった。確認書では、沿線市町等が出資して設立する新たな法人が第三種鉄道事業者(線路所有会社)となり、現行の同事業者である近鉄から、鉄道用地の貸与と、鉄道施設や鉄道車両の無償譲渡を受けること、養老鉄道が引き続き第二種鉄道事業者として、鉄道事業を行うことなどを規定。新法人は、2017年中を目標に設立し、養老鉄道は、同法人から用地、施設、車両を無償で借り受け、運行にあたることとした。近鉄は、養老線と同社の名古屋線との設備分離工事を行うほか、新設する経営安定化基金に一時金として10億円を拠出。養老鉄道の人件費に上限を設定したうえで、上限を超えた分を近鉄が負担することも定めた。
2社と3市4町は2016年7月以降、法定協議会を設置。同協議会で「地域公共交通網形成計画」の策定などを進める。2017年中に、国による「鉄道事業再構築実施計画」の認定を受け、同年中に養老鉄道の事業形態の変更をめざす。