鉄道友の会は24日、2016年の「ブルーリボン賞」に阪神電気鉄道の5700系、「ローレル賞」にJR東日本のHB-E210系と四日市あすなろう鉄道の新260系を選定した。
阪神5700系は、同社の新タイプの普通用車両としては20年ぶりとなる新型車両。2015年8月24日に4両編成1本が営業運転を始めた。ブルーリボン賞選定にあたっては、「人へのやさしさ」として、吊り手、握り棒の増設、低い位置の吊り手の設置など、「地球へのやさしさ」として、電力回生ブレーキ付きのVVVFインバータ制御の採用、全ての照明器具のLED化のほか、車内の保温や保冷対策として、乗客が操作可能な扉開閉ボタンの設置などをおこなったことが評価された。各駅停車の運用に求められる高い加減速性能などを採り入れたことも選定理由となった。
JR東日本のHB-E210系は、仙石線と東北本線を直通するルート「仙石東北ライン」向けの車両として、2015年5月30日に運転を開始。ディーゼルハイブリッドシステムによる環境性能の向上のほか、メンテナンスコストの低減などが図られた点が評価され、ローレル賞に選定された。
四日市あすなろう鉄道の新260系は、新造車両1両(181号車)とリニューアル車両2両(261号車、161号車)の3両編成で、2015年9月27日にデビューした。軌間762ミリの狭軌線を走る車両特有の条件を克服しつつ、冷房装置や車いすスペースを各車両に設けたほか、座席の座り心地の改良、UVカットガラスの採用などを実施。同線の車両としての必要十分な仕様を備えている点が評価された。
ブルーリボン賞は、毎年1回、前年に営業運転についた新型車両または改造車両から、鉄道友の会の会員が投票し、「ブルーリボン賞・ローレル賞選考委員会」が優秀と認めた車両に贈られる。昨年は、ブルーリボン賞にJR東日本E7系・JR西日本W7系が、ローレル賞には、JR東日本EV-E301系「ACCUM(アキュム)」、箱根登山鉄道3000形「アレグラ号」が選定された。JR東日本のローレル賞受賞は、2014年のE6系から3年連続となった。