JR東海は24日、次期新幹線車両「N700S」の確認試験車を製造すると発表した。
新造する確認試験車は、東海道・山陽新幹線用の次期新幹線車両に搭載する新技術の確認や試験を行うもので、2018年3月の完成をめざし、16両を製造する。
次期新幹線車両は、現行のN700系車両以来となるフルモデルチェンジを図るもので、名称は「N700S」にする。現行車両「N700」の末尾に、「最高」を意味する「supreme」の頭文字「S」をつけ、N700系シリーズ中、最高の新幹線車両であることを示す。
N700S車両では、ATCとブレーキシステムの改良による地震時のブレーキ距離の短縮、「台車振動検知システム」の機能向上、次世代パワー半導体である炭化ケイ素(SiC)と同社の「走行風冷却方式」の駆動システムへの適用を実施。また、変圧器など床下機器の配置の最適化により、中間車の車両を従来の6種類から2種類に減らす。車両種別を最少化することで、16両編成の基本設計を活かし、12両、8両などの編成パターンを組みやすくする。外観では、先頭形状を「デュアル スプリーム ウィング形」にすることで、トンネル突入時の騒音を減らすほか、車体も平滑化や形状の見直しを行い、走行時の抵抗を減らす。設備面では、制振性能を高めた「フルアクティブ制振制御装置」のグリーン車への導入、モバイル用コンセントの普通車全座席への設置、架線停電時などに備えた蓄電池のリチウムイオンバッテリー導入などを行う。車両が記録した運転状況などのデータは、車両データ分析センターに、車内防犯カメラのリアルタイム画像は、総合指令所にそれぞれ送るなど、安全対策の向上も図る。
同社では、次期新幹線車両の営業車両としての量産車について、2020年度をめどに投入する検討を進めている。