JR北海道は29日、「『持続可能な交通体系のあり方』について」を発表し、路線網の見直しを開始する方針を示した。鉄道事業を抜本的に見直す。
同社は今秋までに、同社単独で維持可能な線区と、同社単独では維持困難な線区をまとめて示す。前者については、事業のスリム化や運賃改定などを行うことで維持を図り、後者については、鉄道維持に向けた方策の策定やバス転換などの選択も含めて、地元自治体との協議に入りたいとしている。協議対象の路線・線区については、まだ確定しておらず、設備の老朽化の程度などを踏まえ、絞り込みを進めるという。
JR北海道では、札幌圏も含め、全線区で赤字が続いている。2017年3月期の経常損益は、過去最悪の175億円の赤字になる見通し。その後も毎年180億円規模の赤字が予想されている。北海道新幹線も当面は年間数十億円の赤字が予想されており、経営改善の道筋が見えていないことから、今回の見直しに至った。