JR西日本は1日、三江線の鉄道事業廃止を決定し、2016年9月末日までに廃止の届出を行うと発表した。
三江線江津~三次間(約108キロ)の2014年度の利用客数は、1キロあたり1日平均50人。1987年の同社発足時と比べ、約9分の1に減少している。加えて、2006年、2013年には、大規模な自然災害により、長期にわたり運休。被災と復旧を繰り返すのは社会的合理性を欠くとの理由も挙げ、廃止を決めた。このほかに、同線エリア内は短距離区間での少数の移動が多く、拠点間を大量に輸送するという鉄道の特性を満たさないこと、三江線活性化協議会による利用促進の取り組みに反し、利用者の減少に歯止めがかかっていないことなども挙げた。
三江線について同社は2015年10月、沿線自治体に対して「持続可能な公共交通の実現に向けた検討」を申し入れた。その後設置された検討会議での議論や報告書を踏まえ、三江線の鉄道事業を「どのような形態であっても行わない」と判断。社内での手続きを進め、鉄道事業廃止に関する届出を、同9月末日までに行うことを決定した。
同社は今回、沿線地域の新しい交通プラン策定に関わることも表明。新プラン策定への協力とともに、初期費用の全額と、一定期間の運営費用を負担するとしている。