JRグループは16日、2017年春のダイヤ改正の概要を発表した。
在来線特急列車では、JR北海道で大きく再編が行われる。札幌~旭川間の「スーパーカムイ」は、「カムイ」と「ライラック」の運用に変更。カムイには、789系1000代を、ライラックには、2016年3月まで「スーパー白鳥」で運用していた789系0代をあて、使用する車両により列車名を分ける。スーパーカムイで運用していた785系は、札幌~旭川間での定期運転から退く。札幌~稚内間の「スーパー宗谷」と「サロベツ」は、列車名、運転区間を変更。札幌~稚内間を結ぶ列車を「宗谷」とし、サロベツは、旭川~稚内間の運転に変える。宗谷とサロベツは、いずれもキハ261系0代により運転する。札幌~網走間では、引き続きキハ183系の「オホーツク」を運転。加えて、旭川~網走間でキハ183系による「大雪」の運転を始める。運転本数は、ライラック14往復、カムイ10往復、宗谷1往復、サロベツ、オホーツク、大雪が各2往復。札幌駅を発着する特急列車は減るが、旭川~稚内・網走間では現行の本数を維持する運用にする。「すずらん」は、L特急から特急に変更する。
このほかの在来線特急では、JR九州で、同社の観光列車「D&S(デザイン&ストーリー)列車」の1つとして、特急「かわせみ やませみ」が熊本~人吉間で運転を始めるほか、同区間での特急運転を「いさぶろう」1号・「しんぺい」4号で行う。JR西日本では、「サンダーバード」の朝、夜間の一部列車を高槻駅に停車させる。
新幹線では、東海道新幹線の「のぞみ」と「ひかり」定期列車のN700A車両への統一が図られ、山陽新幹線ではデジタルATCが導入される。その結果、東京~博多間を直通する「のぞみ」は最大で7分の時間短縮となり、同区間は最速4時間46分で結ばれる。
在来線の一般列車では、JR京都線・神戸線を直通する新快速が平日も終日12両化されるほか、広島エリアでは「安芸路ライナー」の増発が行われる。呉線を走る「通勤ライナー」は、安芸路ライナーに変更。信越エリアでは、485系による新潟~糸魚川間の快速が廃止される。関東エリアでは、東京~館山間の特別快速が廃止される。
車両の動きとしては、蓄電池電車の運用が拡大する。烏山線では、すべての車両がEV-E301系「ACCUM」に統一。若松線でも全列車がBEC819系「DENCHA」の運用になる。DENCHAをベースとしたEV-E801系も男鹿線に投入される。
ダイヤ改正にあわせて、可部線が延伸し可部~あき亀山間が開業。新たに、河戸帆待川駅、あき亀山駅が開業する。駅の動きとしてはほかに、山陽本線の寺家駅が開業。4月1日には磐越西線の郡山富田駅が開業する。一方で、北海道の東山、姫川、桂川、北豊津、蕨岱、美々、島ノ下、稲士別、上厚内、五十石の10駅が利用の少ない駅として、3月3日をもって廃止される。奥羽本線の赤岩駅は、通年通過になる。
このほか、JR北海道では、車内の自動販売機を全廃。ライラックとサロベツなど、特急の乗り継ぎ時の通し料金とする旅客営業制度の変更もダイヤ改正にあわせて行う。JR九州では、料金における閑散期の設定を廃止する。
ダイヤ改正日は2017年3月4日(土)。