JR東海は7日、エンジン発電機と蓄電池を動力とするハイブリッド方式の特急車両の試験走行車を新製すると発表した。
新製する特急車両は、エンジンで発電した電力と、ブレーキをかけた際などの回生エネルギーを蓄電池に貯めた電力を組み合わせて使うハイブリッド方式を採用。同方式では、モーターを回して走行するため、気動車で使われる変速機や推進軸が不要になるほか、ギアチェンジもなくなり、乗り心地が向上するという。同社は同車両の試験走行車として、4両編成1本を新製。量産車の製造を見据え、車両デザインを一新するとともに、車内設備も拡充する。防音床の採用、荷物スペースや防犯カメラの設置のほか、全座席にコンセントを配備。車いすスペース、多機能トイレも設ける。
試験走行車の完成目標は、2019年末。その後1年間をめどに、基本性能試験や長期耐久試験などを行う。同特急車両の量産車は、2022年度を目標に投入予定。現行の特急「ひだ」、「南紀」で使用しているキハ85系気動車を置き換える。同社では、ハイブリッド方式の鉄道車両としては国内初となる最高時速120キロでの営業運転をめざすとしている。