JR東日本は4日、次期新幹線の実現に向けた試験車両「ALFA-X」(アルファエックス) を新造すると発表した。
新造する試験車両は、「次世代新幹線の実現に向けた開発」を進めるための試験プラットフォームとしてのもの。形式はE956形とし、「最先端の実験を行うための先進的な試験室(車)」を意味する「ALFA-X」の愛称を付ける。
「ALFA-X」では、「さらなる安全性・安定性の追求」、「快適性の向上」、「環境性能の向上」、「メンテナンスの革新」の4点を開発コンセプトとする。さらなる安全性・安定性の追求として、地震発生時の制動時間短縮や脱線防止、着雪しにくい車体構造の試験などを行う。快適性の向上では、動揺防止制御装置等の搭載や吸音性・遮音性の向上、客室内サービスの向上や時速360キロ運転の営業運転実現を目指す。環境性能の向上では、低騒音化や先頭形状の見直しによるトンネル微気圧波の抑制、省エネ運転の実現に取り組む。メンテナンスの革新では、モニタリング機能を強化し、車両からデータサーバを経由して運輸司令やメンテナンス基地などに情報を送信し、さらなる安全・安定輸送や状態基準保全の実現を目指す。また、これら4点をIoTやビッグデータ、AI等を活用して実現するため、車両内の情報・制御ネットワークを強化する。
「ALFA-X」は、2019年春に落成する予定。同社では、4点の開発コンセプトにより、安全・高速な移動手段の提供に加えて、新たな価値の提供を目指すとしている。