相模鉄道は17日、都心直通用となる新型車両「20000系」の報道公開を行った。
20000系は、相鉄では9年ぶりとなる新型車両。東急線との相互直通運転を見据え、車両寸法や保安装置、運転取り扱い機器などは、東急線への直通に対応した設計となっている。
20000系の車体は、相鉄では9000系以来、四半世紀ぶりとなるアルミニウム合金製とした。日立製作所の標準車両である「A-train」シリーズとしながらも、相鉄らしさを追求するため、「デザインブランドアッププロジェクト」に基づき、ネイビー色に統一された車体や横浜らしい顔、時間帯で色温度が変化する車内照明など、新しい価値を見出せるデザインとした。なお、一世代前の車両である11000系では広幅車体としたが、20000系では東急線の車両限界に収めるため、狭幅車体となっている。
車内は、中央高天井構造とすることで車体幅の狭さから来る窮屈さを和らげるとともに、グレートーンで統一されたデザインとし、高品位な内装を実現している。座席はクッション性と清潔感を追求するとともに、一部の優先席では浅く腰掛ける格好となる「ユニバーサルデザインシート」を装備し、立ち座りが楽になるような設計としている。また、旅客が操作する個別ドアスイッチや空気清浄機、公衆無線LANなどを装備する。このほか、相鉄の象徴であった車内の鏡を復活させている。
車両性能では、相互直通運転に対応し、起動加速度を従来車の3.0km/h/s(キロメートル毎時毎秒)から3.3km/h/sに向上させているほか、急曲線対応台車の装備、乗り入れ路線に応じた一体型保安装置を搭載している。
今後、相模鉄道では神奈川東部方面線を経由したJR線および東急線との直通運転が予定されている。開業順序はJR線との直通運転が先となるが、今回相模鉄道では事前準備期間確保のため、東急線直通用車両である20000系を製造した。次期新造車両はJR線直通用となる予定で、20000系の第2編成以降については、JR線との直通運転開始後に製造する予定としている。
相模鉄道では、首都圏の路線ネットワーク化に伴って車両も直接比較される時代が到来するとし、「来るまで待ってでも乗りたい列車を目指す」としている。