JR東海は25日、東海道・山陽新幹線で導入している運転管理システム「コムトラック」のシステム取り替えを実施し、機能向上を図ると発表した。
東海道・山陽新幹線運転管理システム「コムトラック」は、列車進路制御や運転整理、発車標などによる旅客への案内などを行うシステム。現在使用されているシステムは9代目となる。
今回、同社が新たに導入する10代目となるシステムでは、進路制御方式の見直しが行われる。現在のシステムでは、条件の整った列車から順に進路を開通するシステムが採られているため、後続列車などへ遅延が波及し、ダイヤ復帰への妨げとなる可能性があった。新システムでは、他列車に影響しうる遅延を総合的に判断して列車の進路構成を行うことで、遅延波及の防止が図られる。
また、取り替えにあわせて、装置構成の見直しも行われる。現在のシステムでは全機能が1台の計算機に集中しているため、計算機にトラブルが発生した場合、全機能に影響することとなる。新たなシステムでは、輸送計画やダイヤ管理、旅客案内など機能別に分散した計算機を用意することで、1つの機能でシステムトラブルが発生した場合でも、他機能に影響しない構成とした。
この新システムの稼動予定時期は2023年10月。取替費用は約216億円としている。