福岡市交通局は23日、地下鉄七隈線の延伸事業について、開業時期や事業費の見直しの概要を発表した。
地下鉄七隈線の延伸事業は、天神南~博多間約1.4キロで進められているもので、当初の開業目標は2020年度。2016年11月に博多駅(仮称)付近の工区で発生した道路陥没事故により、工期が延びることになり、同局は開業時期が2022年度になること、事業費が当初予定から約137億円増え、総額で約587億円になることを今回明らかにした。
道路陥没事故では、土木本体工事のうち、「ナトム区間」で14か月、「アンダーピニング区間」で8か月がそれぞれ中断。再掘削工法や地盤改良の方法などを決定したうえで、地盤改良に12か月、水抜きや土砂撤去に6か月をかけるとしている。現在は、安全な掘削のための地盤改良を進めており、博多駅付近の土木本体工事の工期が延びる見込み。施設関連工事を含めた同工区での工程全体を調整、精査した結果、延伸区間の開業は2022年度になるとした。
事故による事業費への影響としては、大断面部上部の土砂を固めるなどの安全な再掘削に必要な費用として約14億円、大断面部以外の工事をより安全に進めるための費用として約21億円、開業時期延期に伴う間接費や消費税率改定などによる増加分として約14億円をそれぞれ算出。合計で約49億円が必要とし、これに2012年6月の事業許可取得後の物価上昇等による約77億円、新駅のエスカレーター増設などの利便性向上のための費用約11億円を加え、総額約137億円が当初よりも増える見通しとした。七隈線の延伸事業の総事業費は、約587億円になる。