JR東海は7日、在来線列車見張員訓練用シミュレータを導入すると発表した。
列車見張員は、昼間時間帯などに線路や架線などの検査・工事を行う際、作業員を線路外に待避させることを目的に配置している人員。同社では今回、実際の作業現場をイメージし、実技の訓練を行うことが可能なシミュレータを導入し、訓練を行うとした。
シミュレータは、訓練対象者の前後の大型モニターに、作業現場をイメージした動画を表示する。訓練対象者は、表示される動画に応じて、現場の作業状況や列車の接近をイメージしながら待避指示を出す仕組み。シミュレータにはセンサー付きカメラが設置されており、このセンサーにより列車見張員の動作をモニタリングする。これにより、合図の出し方や待避時の姿勢などを自動的に評価し、指導者用の画面卓に結果を表示することで、指導者が訓練対象者にフィードバックを行う。また、線路内への忘れ物や作業員のケガなど、トラブルを想定した訓練も行うことができる。
このシミュレータでの訓練対象者は、在来線の列車見張業務に従事する社員や協力会社の係員、あわせて約1200人。JR東海では、このシミュレータで列車見張員を訓練することで、線路内作業のさらなる安全性の向上を図るとしている。