JR西日本は5月23日、和歌山線に無線式ATCを導入すると発表した。ATCの導入は、JR西日本の在来線では初となる。
無線式ATCは、連続的な無線通信によって、列車間の安全な間隔を確保する保安システム。無線により各列車の位置を検知し、前方列車に接近すると、自動で適度な速度に減速させる。また、踏切内自動車立ち往生などの異常時や、地震などの災害にともなう急な速度規制時においては、情報を列車に送信し、自動でブレーキを作動させる。このほか、情報の伝送を地上子やケーブルから無線に置き換えることで、地上設備をシンプルにすることができる。
無線式ATCの導入区間は、和歌山線の橋本~和歌山間。2019年春以降に同線に導入する227系に、無線式ATCの車上装置を搭載する。導入時期は2023年春で、当初は一部列車に対して導入。2024年春に、全列車への導入を完了する。
JR西日本では、無線式ATCの導入により、運転支援機能を充実させるほか、メンテナンス性の向上により、将来にわたって持続可能な鉄道システムを目指すとしている。