JR東日本東京支社は23日、鉄道電力設備に無線式センサシステムを本格導入すると発表した。
今回導入する無線式センサシステムは、電力係員が簡単に設備状況を収集できるようにするもの。無線式センサ(温度センサ付きRFIDタグ)と、携帯型データ収集装置、専用スマートフォンで構成する。変電所からの電力を架線に供給する「き電線」同士の接続部に、温度センサ付きRFIDタグを設置。温度センサが計測した接続部の温度データを、列車で巡回する係員が専用端末から読み出すことができる。無線式センサは太陽光パネルを搭載しており、外部電源を必要としない。
き電線は、経年劣化により電気抵抗が増え、発熱する傾向がある。従来の作業では、2年に1度、係員が接続部のある現場へ巡回し、沿線からサーモカメラを使用して温度を測定していた。同社は2015年4月以降、常磐線北千住~我孫子間の一部区間において実証実験を進めてきたが、一定の効果が確認できたとして、今回の導入へと繋がった。システム導入により、係員のさらなる安全確保のほか、メンテナンスの効率化や品質向上が可能となる。
JR東日本は無線式センサシステムを、常磐快速線北千住~取手間、常磐緩行線綾瀬~取手間で2019年1月に導入する。また、総武線錦糸町~津田沼間、根岸線横浜~大船間にも、順次導入するとしている。