JRグループなどは14日、2019年春のダイヤ改正の概要を発表した。
新幹線では、北海道新幹線の青函トンネル区間において、最高運転速度を時速160キロに向上。これにより、下り2本、上り1本を運転する最速達列車は、東京~新函館北斗間を3時間58分で運転する。また、上越新幹線では、E7系を導入。上下5往復に投入し、グランクラスの座席サービスを開始する。東海道新幹線では、日中時間帯に最高時速285キロで運転する「のぞみ」を増やし、一部列車で所要時間を短縮する。
在来線特急では、JR東日本の中央本線特急「あずさ」「かいじ」が、E353系に統一される。これにともない、特急「スーパーあずさ」の名称は廃止となる。また、E353系の付属編成による富士急行線直通特急「富士回遊」を新宿~河口湖間で運転し、新宿~大月間は「かいじ」に連結して運転する。ラッシュ時間帯に運転する定員制列車「中央ライナー」「青梅ライナー」は、特急「はちおうじ」「おうめ」に変更する。このほか、中央線特急の再編にあわせて、新たな座席指定サービスを導入する。JR西日本では、289系6両編成による通勤特急「らくラクはりま」をJR神戸線に新設し、朝時間帯に姫路発大阪行き、夕通勤時間帯に大阪発姫路行きを各1本運転する。JR四国では、特急「南風」の運転区間を変更し、高知~土佐くろしお鉄道宿毛間は特急「あしずり」に変更する。
在来線の普通列車では、JR東日本が総武線の定員制列車「ホームライナー千葉」を廃止し、同列車時間帯に快速列車を増発する。篠ノ井線では、塩尻~長野間で運転する「おはようライナー」を廃止し、211系の快速列車に置き換える。また、E257系による長野~松本間の快速列車も、車両を211系に変更する。JR西日本では、近畿エリアにて、新快速に有料座席サービス「Aシート」を導入し、琵琶湖線、JR京都線、JR神戸線で1日2往復運転する。岡山エリア・JR四国では、瀬戸大橋線の岡山~琴平・観音寺間で運転する普通列車を廃止する。また、山陽本線の岡山・福山方面~広島・岩国方面を直通運転する列車を系統分割し、糸崎駅での接続に変更する。広島エリアでは、227系を追加導入し、山陽本線三原~岩国間、呉線三原~海田市間、可部線横川~あき亀山間の全列車が227系での運転となる。JR九州では、香椎線に蓄電池車両のBEC819系「DENCHA」を投入。既存のディーゼル車両を全て置き換える。
路線では、JR西日本のおおさか東線が新大阪~放出間で開業し、同線の営業区間が久宝寺~新大阪間となる。開業にあわせて、奈良駅から大和路線、おおさか東線、学研都市線、JR東西線を経由して尼崎駅まで運転していた「直通快速」は、新大阪行きへと変更。おおさか東線から学研都市線への直通快速は廃止となる。また、嵯峨野線の京都~丹波口間に「梅小路京都西」駅が開業するほか、学研都市線の東寝屋川駅は「寝屋川公園」駅に改称する。JR東日本では、大糸線の臨時駅、ヤナバスキー場前駅を廃止する。JR九州では、筑肥線の波多江~筑前前原間に「糸島高校前」駅が開業する。
また、ダイヤ改正後の3月23日には、東日本大震災により2011年から運休していた山田線の釜石~宮古間が、JR東日本から三陸鉄道に移管される。移管にあわせて、既存の北リアス線と南リアス線を含めた久慈~釜石~宮古~盛間を、「リアス線」に改称する。3月31日には、JR北海道が同日をもって、石勝線夕張支線新夕張~夕張間の営業運転を終了する。4月には、常磐線の広野~木戸間に「Jヴィレッジ」駅が開業する。
新ダイヤの施行日は、2019年3月16日(土)。同日、小田急電鉄、東京メトロなどでも、ダイヤ改正を実施する。