国土交通省は1月31日、三陸鉄道の鉄道事業再構築実施計画を認定した。
この鉄道事業再構築実施計画は、山田線宮古~釜石間の三陸鉄道リアス線への移管開業を背景に認定するもの。2019年3月から2029年3月までの10年間を計画期間とする。関係自治体が鉄道施設の一部費用を負担するほか、積極的な支援により経営改善施策に取り組むことにより、収支均衡と安定運行の維持を目指す。
再構築事業においては、従来山田線の用地や施設を保有してきたJR東日本が、宮古市や釜石市などの沿線自治体にこれらを譲渡。鉄道用地とトンネル・橋梁、災害復旧に関わる鉄道施設を、三陸鉄道に無償で貸し付け、「コスト上の上下分離」とする。これ以外の鉄道施設や車両は三陸鉄道が保有するが、これらについても沿線自治体が修繕・維持管理費用を補助する。設備更新については10年間で約30億円、維持修繕については10年間で約37億円を投資する。
このほか、利用促進や経営改善にも取り組む。観光列車や全線直通列車の運転、新駅設置によって需要拡大を目指すほか、従来は北リアス線と南リアス線で分かれていた車両運用や車両検修施設の集約により、作業上の効率化を図る。
三陸鉄道リアス線は、2019年3月23日に開業する。開業時より、計画に記載されていた全線直通列車を運転するほか、払川駅と八木沢・宮古短大駅を新設する。