しなの鉄道は2月28日、新たに導入する車両の概要を発表した。型式名は「SR1系」。
SR1系は、現行の115系を置き換える車両。総合車両製作所の「サスティナ」シリーズから、JR東日本のE129系と同シリーズであるS23シリーズの車両として導入する。一般仕様のほか、座席をクロスシートとするライナー仕様も製造する。型式名は、「Shinano Railway 1」から命名。「新たな歴史の始まり」「オリジナル」の意味を持たせた。
SR1系のデザインは、デザインコンペにより決定した。一般車両では、外観に社員が地域や利用客に向ける情熱や温かさを表現した赤、地域の未来へ挑戦していく姿勢を表現したゴールドラインを配置。115系の塗装も継承している。内装では、座面にシンボルカラーの赤やグレーを、壁面に薄い木目を用いた白を配する。
ライナー車両では、外観で信州の風や沿線風景を表現。ロイヤルブルーやシャンパンゴールドを配し、観光利用者に向けて旅の上質感と高級感を演出する。シャンパンゴールドの4本線は、115系を継承している。車内では、クロスシートとロングシートの2モードを変換できる「デュアルシート」を採用。座席は、信州特産のリンゴをイメージした配色とする。床面は、木目調のブラウンのデザイン。このほか、ライナー車両には沿線11市町と長野県などをイメージしたシンボルマークを設定する。
車内設備としては、バリアフリートイレ、ドア開閉ボタン、車内案内表示 英語案内などを設置。またライナー編成のみの設備として、デュアルシートのほか、Wi-Fi設備、電源コンセント、カップホルダーを設ける。
SR1系は、2019年度から2026年度にかけて、2両編成26本を導入。このうち、2019年度に導入する3本については、観光振興を主目的に復活させるライナー用の車両とする。ライナー用車両は、2020年3月に納車され、7月に営業運転を開始する。平日朝夕は「しなのサンライズ」「しなのサンセット」といった通勤通学用として、土休日は観光利用目的の「軽井沢リゾートライナー」として運転予定。ライナー運用以外では一般列車にも充当する。