相模鉄道は28日、JR線への直通運転に対応した新型車両「12000系」を報道公開した。
12000系は、2018年2月に営業運転を開始した20000系と同様に、同社グループの「デザインブランドアッププロジェクト」のコンセプトを反映した車両。車体エクステリアは20000系や9000系リニューアル車両と同様に、横浜の海をイメージした濃紺色「YOKOHAMA NAVYBLUE」を使用する。車体は塗装不要なステンレス製だが、20000系に引き続き、あえて塗装を施している。車体断面は東急線への直通に対応した20000系よりも拡幅し、裾絞りのあるものとした。前頭部形状は、当初は12000系のデザインを基に検討したが、最終的には20000系と異なるアプローチを取った。その先頭形状には、能面の1つである「獅子口」をイメージしたデザインを配置。「新たな輸送体系の実現へ、わたしたちを護る存在」の意味を込めたという。
インテリアは、20000系と同じ世界観をイメージしているが、車体の拡幅にあわせ、上下方向を意識した20000系と異なり、前後方向を意識したデザインとしている。配色はグレー系統で統一。時間帯で色調が変化する調色調光式のLED照明や、全ての車両へのベビーカー・車椅子用フリースペース設置、一部座席への「ユニバーサルデザインシート」の導入、個別ドアスイッチの設置なども、20000系を踏襲する。さらに新規・改良装備として、ユニバーサルデザインシートでは座面をさらに30ミリ下げたほか、荷物棚を復活。防犯カメラも相鉄で初めて搭載する。一方で、車内客室窓のカーテンは、ガラスの性能向上やJRの車両がカーテンを非搭載としていることをふまえ、20000系とは異なり非搭載とした。
走行機器は11000系をベースとし、操作感を統一する。ホームドア設置駅で自動停車可能なTASC(定位置停止装置)を相鉄で初めて搭載するほか、相互直通運転への対応として、線区に応じた自動切換機能を搭載。加速度切替(時速3キロ毎秒・時速2.5キロ毎秒)に対応する。また、前方監視カメラを相鉄で初めて装備する。
12000系は、2019年4月20日に営業運転を開始する。当初は10両編成1本を導入し、2020年までに6編成60両を導入するとしている。