京都市交通局は29日、「京都市交通局市バス・地下鉄事業経営ビジョン」を策定したと発表した。
同局は経営ビジョンにおいて、2021年度より烏丸線に新型車両を導入することを盛り込んだ。烏丸線開業時に導入した車両が更新時期を迎えるため、「将来にわたって安心・快適に利用できる新型車両」への更新に向けた取り組みを進めるとしている。車両デザインは、市民や利用者からの投票により決定。外観は「前面の造形に曲面を多用した、より近未来的なイメージのデザイン」の案が、内装は「華やかで雅なカラーデザイン」案が採用された。今後は、2019年度に車両の設計に着手。2021年度に1本、2022年度と2023年度に各2本を導入し、2025年度までに9本を投入するとしている。
新型車両以外でも、各種施策を進める。地下鉄では、烏丸線の全駅に可動式ホーム柵の設置を目指す。烏丸線各駅のトイレやコンコース壁面のリニューアルや、駅・地下鉄車両の照明LED化、烏丸線各駅の行先案内表示更新も実施する。
市バスでは、混雑緩和に向けた取り組みとして、ラッシュ型車両や大型手荷物に対応した車両の導入、観光系統への「前乗り後降り方式」の導入などを進める。また、夜間の視認性向上などに寄与するフルカラーLED式の行先表示器も導入。2022年度までに、市バス全車両の行先表示器を従来方式のものから置き換える。
京都市交通局市バス・地下鉄事業経営ビジョンは、2019年度から2028年度までの10年計画。京都市交通局は経営ビジョン策定後、年度ごとに経営状況や事業進捗を確認するほか、経営ビジョンの中間時点である2023年度までに、社会情勢の変化や取り組みの進捗状況を踏まえ、見直しを図るとしている。