広島電鉄は27日、広島駅周辺地区において、新ルートを整備すると発表した。
新ルートの整備は、2014年9月に広島市が策定した「広島駅南口広場の再整備等に係る基本方針」に基づくもの。同方針では、路面電車乗降場の処理能力が低く、バス降車場も駅から離れている広島駅南口広場を再整備し、新駅ビルの建設やバス乗り場を設置することなどが盛り込まれている。
広島駅南口広場の再整備後は、広島電鉄は新駅ビルの2階部分に高架で乗り入れることとなる。同社はこれにあわせ、駅前大橋を経由する広島駅~稲荷町~比治山下間のルートを新設。広島駅から猿猴橋町を経由し、的場町に至るルートを廃止する。新規ルートでは、稲荷町~比治山下間に松川町(仮称)停留場を新設する。
また、駅前大橋経由の新規ルート建設にあわせ、循環ルートも導入する。新規ルート開業後は的場町、段原一丁目の各停留場の利便性が低下するため、的場町~紙屋町~市役所前~皆実町六丁目~的場町間で環状運行を実施。利便性向上に加え、八丁堀、紙屋町といった広島市中心部や、大型商業施設がある皆実町六丁目を結ぶことで、さらなる都心の賑わい創出や回遊性の向上を促すとしている。
広島電鉄は、2019年4月上旬に特許申請書の提出を予定。2020年度に工事を着手し、2025年春の開業を目指すとしている。