JR北海道は10日、運賃と料金の上限の変更について、国土交通省に認可申請した。
今回の運賃・料金の上限変更は、輸送サービスの向上と、利用者が少ない路線の維持を目的に実施する。JR北海道では1996年以来、消費税率の引き上げ以外の要因による運賃改定を実施していなかったが、昨今の厳しい情勢の中、将来の経営自立に向け、同社の最大限の経営努力を前提としつつ、申請に踏み切った。
料金の引き上げは、主に普通・定期旅客運賃を対象とする。普通運賃では、100キロ以内では「対キロ区間制運賃」を導入。101キロ以上200キロ以内では、賃率を1.1倍程度引き上げる。201キロ以上の区間は、賃率を据え置く。普通運賃全体では、平均で13.6%、消費税率引き上げ分を含めると15.7%の引き上げとなる。また、定期旅客運賃についても、割引率は据え置くものの、普通運賃の引き上げに応じて改定する。
また、千歳線の南千歳~新千歳空港間で適用する加算運賃についても、あわせて改定を実施する。同区間の加算運賃は、建設時のコストに充てるためのもので、1992年7月の開業時より収受していた。設備投資額などの回収が順調に進捗しているため、現行の140円から20円に引き下げる。これにともない、札幌~新千歳空港間の運賃は、現在が1070円(うち加算額140円)のところ、改定後は1150円(うち加算額20円)となる。加算運賃については、運賃改定認可後に届出を実施する。
このほか、特急料金や座席指定料金などについても、改定を実施する。これらの料金改定は、消費税率引き上げによるもので、増収を目的した加算は行わない。特別企画乗車券についても、運賃改定認可後に届出を実施するとしている。
運賃・料金の変更は、2019年10月1日の消費税率引き上げにあわせて実施する予定。同社では並行して取り組む経営努力として、業務の効率化やコスト削減、輸送サービスの向上に取り組むとしている。