JR東海は7日、次期新幹線車両「N700S」の営業車で、地上設備の計測を実施すると発表した。
検測に用いるのは、新開発した「トロリ線状態監視システム」「ATC信号・軌道回路状態監視システム」と、既存の「軌道状態監視システム」を改良した3つの状態監視システム。これらにより、架線やATC信号、軌道の状態を計測し、一部のデータを定期的に、またはリアルタイムに、関係機関に送信。タイムリーな保守作業の実現を目指す。
同社では現在、東海道新幹線において、検査用車両「ドクターイエロー」を用い、軌道や電気設備の検測を実施している。また、N700系の一部編成に「軌道状態監視システム」を搭載し、走行中の営業列車で軌道の状態を計測している。
同社では同システムの機能を強化したシステムのほか、トロリ線とATC信号・軌道回路の状態を計測するシステムを開発。これら3システムの実用化の目処が立ち、N700S営業車で計測を実施することとした。
状態監視システムは、N700Sの営業車3編成に搭載。また、軌道状態のより高頻度な計測に向け、別の3編成にも軌道状態監視システムを搭載する。JR東海では、2021年3月までにN700S確認試験車にて計測機器の長期耐久性などを確認し、同年4月以降にシステムを搭載した編成の運転を開始するとしている。