京成電鉄は10日、新型車両「3100形」を報道陣に公開した。
3100形は、2003年にデビューした3000形以来16年ぶりの新形式となる、京成電鉄の一般型車両。車両のコンセプトは、「受け継ぐ伝統と新たな価値の創造」。質実さや実用本位という同社車両の基本思想に加え、空港アクセスを意識した設計としている。車両の製造は、日本車輌製造と総合車両製作所の2社が担当する。
車両外観は、成田スカイアクセス線を走行することを強調するため、同線の案内カラーであるオレンジを基調としたデザインを採用。現在同線の主力一般型車両である3050形と同様、空港アクセスのシンボルである飛行機をアクセントとして描く。これに加え、浅草寺雷門や成田山新勝寺など、沿線各所のイメージイラストをアクセントとして配する。
車内では、成田スカイアクセス線の車両と一目でわかるよう、座席の生地をオレンジ色とし、座面には桜と千葉県の県花である菜の花を描く。座席は、背もたれが高いハイバック式。一部の座席は折りたたみ式とし、スーツケース置き場などとして使用可能とする。車内案内表示器は17インチサイズ2画面を採用。一部の案内表示器横には防犯カメラを設置する。また、プラズマクラスターイオン発生装置の導入や空調制御ソフトの見直しにより、車内環境を改善する。
行先表示器は、従来の3000形よりも大型化。ホームからの視認性を向上する。また、日本語と英語に加え、中国語、韓国語を加えた4か国語での表示や、駅ナンバリングの表示にも対応する。
足回りでは、SiC素子を採用したVVVFインバータ制御装置を搭載。同社通勤型車両として初の定速運転装置を装備している。制動装置については、編成全体で必要なブレーキ力の演算が可能となっており、回生ブレーキの有効活用や雨天時の滑走防止を図る。ブレーキ段は、従来の5段から7段に変更し、きめ細かいブレーキ操作が可能となっている。運転台は3000形を踏襲しているが、従来の行先・種別を設定する機器を廃し、運転台横のタッチパネルにて行先種別設定や自動放送操作を行えるようにした。
3100形の営業運転開始は、10月26日を予定。京成電鉄は、2019年度は8両編成2本を導入し、2020年度以降も同型式を継続投入するとしている。なお、現在成田スカイアクセス線で活躍している3050形は、一部を一般色とし京成本線系統に転用するほか、残存する各編成も3100形と同様のオレンジ色に変更するという。