首都圏新都市鉄道は25日、新型車両「TX-3000系」を報道陣に公開した。
TX-3000系は、つくばエクスプレス線の開業後としては初の導入となる新形式車両。増備車両としても、2012年に増備したTX-2000系のTX-71~73編成以来、約7年ぶりの投入となる。交直流車として設計されており、つくばエクスプレス全線を走行できる。
車両のコンセプトは、継承、進化、洗練の3点。現行のTX-1000系とTX-2000系のイメージを継承し、シリーズ性を感じさせながらも、技術の進化にあわせて最新技術を採用。さらに、洗練した車両に「良い印象」を残し、次世代につなげることを目指す。
外観は、現行車両の構成を継承しつつ、先頭部の傾斜を強化し、ヘッドライトの形状も変更することで、先鋭感を強調。既存車両から継承したブルーとレッドのラインを斜めに配し、スピード感を表現する。なお、ヘッドライトはLEDを採用し、現行車両のHIDと同等以上の明るさを確保しつつ、電力消費量を削減する。
車内では、各ドア上部に42インチハーフの液晶車内案内表示器を搭載。日本語に加え、英語、中国語、韓国語の4か国語により情報を提供する。連結面や座席袖仕切りには強化ガラスを採用し、車内の見通しを改善。座席のクッション性改良、側面大窓ガラスへのUVカットグリーンガラス採用、吊り革の増設などにより、快適性を向上する。また、防犯カメラの搭載や、フリースペース、ユニバーサルデザインシートの設置など、安全性やバリアフリーにも配慮する。
機器面では、主制御装置にSiC素子を適用した2レベルPWM制御のVVVFインバータを採用。主電動機は全閉式とする。設計最高速度は、時速130キロ。車体は既存車両と同様、アルミダブルスキン構体としている。機器構成は既存車両と変更し、乗務員の操作性や、検査係員のメンテナンス性を向上している。
TX-3000系は、6両編成5本を導入予定。第1陣となるTX-81編成は9月に車両基地で搬入済みで、残る編成も、TX-82・83編成は12月下旬に、TX-84・85編成は2020年1月下旬に、それぞれ搬入を予定している。今後、試運転や検査、訓練を実施し、2020年3月の営業運転開始を予定している。