近畿日本鉄道は20日(月)、2009年6月1日から、ICカードサービス「PiTaPa」の「区間指定割引」を導入すると発表した。
区間指定割引は、事前に利用する区間を登録しておくことで、1か月の定期運賃を上限とした運賃を適用する割引サービス。PiTaPaはポストペイ(後払い)システムを採用しており、毎月の引き落とし時に割引が適用されることになる。この区間指定割引は、阪急電鉄や京阪電鉄、大阪モノレールなどでも導入している。
近鉄は、2007年4月にPiTaPaを導入したが、これまで1か月の利用総額に応じて割引をする「利用額割引」のみを導入しており、利用区間と回数によっては定期運賃より高くなるケースがあった。同社では2009年6月から、利用額割引と区間指定割引の両サービスを提供し、決済時にどちらか安くなる割引制度を自動的に適用する。なお、この両サービスをあわせて実施するのは、関西で近鉄が初めてとなる。
区間指定割引の導入に至った経緯として同社は、利用者から定期券相当の割引を適用するサービスの要望があったことと、2009年3月20日から乗り入れを開始する阪神電気鉄道がPiTaPa定期サービスを導入していることを挙げ、利用者の利便性を向上させたいとしている。
PiTaPaには、「利用回数割引」、「利用額割引」、区間指定割引などの「登録型割引サービス」、磁気定期券に割引に相当する「PiTaPa定期サービス」の4つのサービスがあり、各社によって導入しているサービスが異なっている。