国土交通省北海道運輸局は25日、札幌市交通局軌道事業の上下分離に関する申請を認定した。
札幌市では、路面電車の維持・活性化を目的とした「札幌市軌道運送高度化実施計画」を、2013年度から2020年度までの8年計画で策定。路線のループ化や低床車両の導入、停留場のバリアフリー化などを進めてきた。これにより利用者の増加や収支改善などの効果は見られたものの、依然として経営状態が良好ではない状態が続いている。また、安全管理体制の確保などの課題も残されており、将来の安全かつ健全な路面電車の運営のため、計画を変更し、上下分離に踏み切ることとした。
上下分離後は、札幌市交通局は軌道施設や車両、土地の保有・更新、軌道の新設などを担当。実際の運行や施設・車両の維持管理は、札幌市営地下鉄各駅の運営を受託している札幌市交通事業振興公社が、これを新たに担当する。
札幌市電の上下分離は、2020年4月に実施。上下分離の実施により、経営基盤の強化や安全管理体制の確保、利用者サービスの向上などを図るとしている。また、変更後の計画では、単車タイプの新型車両(LRV)9両を新たに導入することも盛り込んでいる。