JRグループなどは13日、2020年春のダイヤ改正の概要を発表した。
新幹線では、JR東海が東海道新幹線で最高時速285キロで運転可能なN700Aタイプに車両を統一するのにあわせ、東京~新大阪間の所要時間を最大7分短縮。全ての「のぞみ」を2時間30分以内で運転する。また、のぞみの片道運転本数を1時間あたり最大12本とした「のぞみ12本ダイヤ」を開始。東京駅発7時~20時台、東京駅着9時~22時台について、繁忙期に最大12本ののぞみを運転する。このほか、東海道・山陽新幹線の全席禁煙化にあわせ、「こだま」の指定席車両を一部変更。7号車を指定席とし、16号車を自由席とする。JR東日本では、東北新幹線の「はやぶさ」を増発。上越新幹線では、朝ラッシュ時間帯の「たにがわ」を増発する。JR西日本とJR九州では、山陽新幹線・九州新幹線「みずほ」を1往復増発。みずほは福山駅、新山口駅を、新たに停車駅に追加する。
在来線特急では、JR東日本が伊豆方面の特急「サフィール踊り子」を新たに運転する。新型車両E261系を用い、東京・新宿~伊豆急下田間で1日あたり最大2往復運転する。また、特急「踊り子」の車両は、一部をE257系リニューアル車に置き換える。一方、特急「スーパービュー踊り子」は運転を終了する。中央線では、富士急行線に直通する特急「富士回遊」を増発。千葉駅発着を新たに設定する。JR北海道では、特急「スーパー北斗」「スーパーおおぞら」「スーパーとかち」の列車名から「スーパー」を外し、「北斗」「おおぞら」「とかち」とする。また、キハ261系20両を「おおぞら」に投入し、12本中6本をキハ283系から置き換える。JR西日本では、特急「はるか」に新型車両271系を導入。はるかは全列車を9両編成で運転する。JR九州では、肥薩線の特急「かわせみ やませみ」1号・2号を、繁忙期のみに運転する臨時列車に変更する。
在来線の普通列車では、JR北海道が新千歳空港アクセス列車の快速「エアポート」を増発。現在の1時間あたり4本から同5本へと増強するほか、札幌駅を5時50分に出発する列車も設定する。また、朝・夜時間帯には、途中停車駅を新札幌駅と南千歳駅のみとした「特別快速」も設定する。函館本線の区間快速「いしかりライナー」は、通過駅の利用客増加にともない廃止し、各駅停車に変更する。函館本線では他にも、小樽~長万部間に新型車両H100形を導入。キハ201系以外の全車両を置き換える。JR東日本では、早朝・深夜帯に設定していた東京駅発着の各駅停車を廃止する。これにあわせ、早朝・深夜帯に中央・総武緩行線の運転区間を変更し、御茶ノ水行きを廃止。中野・三鷹方面へと延伸する。また、磐越西線では新たに指定席サービスを導入。半室を指定席とした車両を、郡山~会津若松間の快速3往復に投入し、「あいづ」として運転する。なお、指定席の座席は、2月下旬から3月13日までの間は無料で利用できる。新潟地区では、電気式気動車GV-E400系を追加投入。信越本線、羽越本線、磐越西線、米坂線でキハ40系の置き換えを完了し、改正後は同型式とキハ110系に統一する。東北本線では、黒磯~新白河間の普通列車をE531系での運転に統一。5両編成によるワンマン運転を開始する。JR西日本では、JR宝塚線で日中一部時間帯の快速、「丹波路快速」を、宝塚~新三田間で各駅に停車する「区間快速」に変更する。広島エリアでは、快速「シティライナー」の運転を再開。土休日の日中に1時間あたり2本運転する。JR九州では、蓄電池搭載型車両YC1系を営業列車に投入。大村線などでキハ66・67系の置き換えを開始する。鹿児島本線では、821系を追加投入するほか、平日朝時間帯に香椎線西戸崎始発の博多行き直通列車を運転する。
路線では、常磐線の佐貫駅の駅名を「龍ケ崎市」駅に変更。2019年4月に開業した臨時駅「Jヴィレッジ」駅は、常設駅に昇格する。山手線・京浜東北線では、田町~品川間に「高輪ゲートウェイ」(たかなわゲートウェイ)駅が開業する。JR東海では、東海道本線袋井~磐田間に「御厨」(みくりや)駅を開業。参宮線の臨時駅、「池の浦シーサイド」駅を廃止する。JR北海道では、根室本線の「古瀬」駅と釧網本線の「南弟子屈」駅を、利用客減少にともない廃止する。JR四国では、予讃線の北伊予~伊予横田間に「南伊予」(みなみいよ)駅を開業する。南伊予駅の隣接地には、JR貨物の松山貨物駅が松山駅構内から移転する。
また、ダイヤ改正後には、JR九州が長崎本線長崎駅、浦上駅を、3月28日に高架化する。JR北海道では、5月7日をもって、札沼線の北海道医療大学~新十津川間を廃止する。また、5月8日には、JR西日本が新たな長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」の運転を開始。当初は京都・大阪~出雲市間で運転する。このほか、2011年の東日本大震災の影響で運休が続いていた常磐線富岡~浪江間は、2019年度末までに運転を再開する。
新ダイヤの施行日は、2020年3月14日(土)。同日、東武鉄道などもダイヤを改正する。