JR東日本は3日、山形新幹線に新型車両「E8系」を導入すると発表した。
E8系は、山形新幹線用に新造する7両編成の車両。流線型の先頭部は9メートルで、現行のE3系の6メートルより長く、秋田新幹線用E6系の13メートルより短い。営業最高速度は、現行の時速275キロから時速300キロに向上する。
車内は、普通車・グリーン車ともに全席にコンセントを設置。スーツケース対応の大型荷物スペースを全車両に設置するほか、車いすスペースも普通車は1編成あたり2席に増やす。編成定員は、普通車が329人、グリーン車が26人の計355人。現行のE3系との比較では、普通車が42人減、グリーン車が3人増で、あわせて39人少なくなる。
車両デザインは、奥山清行氏が代表を務めるKEN OKUYAMA DESIGNの監修のもと、川崎重工が担当。「豊かな風土と心を編む列車」をコンセプトに、外観は現行車両を踏襲した「おしどりパープル」「蔵王ビアンコ」「紅花イエロー」の3色に塗装。グリーン車車内は「最上川と月山」、普通車車内は「最上川と紅花」をカラーテーマとする。
JR東日本はあわせて、福島駅アプローチ線の新設工事に着手すると発表した。
福島駅では、山形新幹線が走る奥羽本線と結ばれているホームは、下りホーム14番線の1線のみとなっている。そのため、ダイヤが乱れた際には上下列車が輻輳するほか、上り列車は2度の平面交差が必要となるなどの課題がある。
同社は、新たに東北新幹線上りホームへアクセスするアプローチ線の新設を発表。この工事により、ダイヤ乱れ時の復旧時間短縮を目指す。
E8系の運転開始時期は、2024年春を予定。新アプローチ線の使用開始は、2026年度末を予定する。JR東日本は、E8系のダイヤや到達時分の短縮効果などについては、決まり次第発表するとしている。
【2024年7月10日追記:画像を追加しました】