JR東日本は10日、小海線に無線式列車制御システムを導入すると発表した。
小海線では現在、運転士が車内に設置しているスイッチを扱い信号機を制御する、特殊自動閉塞式を採用している。この方式では、各駅に信号機などを制御する連動装置を設置する必要があり、設備管理やメンテナンスのコストが掛かる。また、自動列車停止装置(ATS)は旧型のATS-Snを採用しており、赤信号への接近時には速度パターンによる連続制御ができないため、最新型のシステムよりも効率が悪くなっている。
新たに導入するシステムでは、各駅を光ネットワークで結ぶことにより、連動装置を中央装置1か所に統合。また、信号機は列車ダイヤによって自動で制御するため、運転士が信号を制御する必要がなくなるほか、指令から列車の運行管理が可能となる。自動列車停止装置についても、首都圏で導入されているデジタルATCやATACSのように、速度照査パターンを生成するタイプを導入。パターン速度を超過すると自動的に非常ブレーキが掛かる連続制御となる。
新システムの導入区間は、小海線小淵沢~小諸間の約79キロ。2020年4月20日から供用を開始する。