JR東海は15日、在来線の踏切における安全性向上を図るため、高性能型の障害物検知装置や、踏切用ATS装置、踏切用逸脱防止ストッパを導入すると発表した。
障害物検知装置は、踏切内に取り残された自動車や歩行者などを検知するもの。これまでは光線式の装置を設置していたが、同社は新たにレーダー・レーザー式の装置を導入。踏切上の全範囲を検知範囲とするほか、歩行者や自転車、車いすなどの検知性能を向上させる。導入対象は、列車本数と歩行者・自転車などの通行量が多い18踏切。
踏切用ATS装置は、踏切内で立ち往生した自動車などを検知した場合、運転士による手動でのブレーキ操作を補完し、自動的に列車を停止させるもの。これまでは、踏切内障害物を検知した際、専用の信号機が発光し、これを運転士が視認してブレーキを操作する流れとなっていた。新たな装置の導入で、踏切手前で停止できるATSの速度制御パターンを発生させることで、自動的に列車を停車させる。同社は、列車本数や大型自動車の通行が多い54踏切を対象に導入するとしている。
踏切用逸脱防止ストッパは、踏切内で車両が自動車などの障害物と衝突して脱線した際に、列車の逸脱を抑制して対抗列車との衝突を防ぐためのもの。313系のうち183両が設置対象となる。
導入時期は、踏切用ATS装置と逸脱防止ストッパが2020年度以降、障害物検知装置が2021年度以降。逸脱防止ストッパは2024年度までに、障害物検知装置と踏切用ATS装置は2025年度までに、順次導入するとしている。