京阪電気鉄道は17日(月)、京阪線(京阪本線・鴨東線、中之島線、交野線、宇治線)のATS(自動列車停止装置)システムについて、来年度から全面的な更新に着手すると発表した。
現行のATSは、点制御方式という方式を採用しており、線路上に配置された2個の地上子により速度を照査し、速度超過を判別している。これを、多情報連続制御式という方式に全面的に変更し、より安全性を向上させる。多情報連続速度照査パターン式を導入した場合は、列車(車両)側が、自車の制動性能や地上装置の停止信号等の情報をもとに、速度パターンを作成し速度の照査を行う。同社では、今後の技術革新の動きを注視しながら、最適なATSシステムを選択する予定。
総投資額は40億円規模。来年度より装置の試験や評価を開始し、2014年度に一部区間で使用を開始する。京阪線全線での新しいシステムの稼働は2016年度の見通し。
なおATS設置に関しては、曲線部などへの設置を義務づけた新基準が施行されているが、京阪線では既存のATSの改良により今年10月に対応が完了している。