JR東日本と日立製作所、トヨタ自動車は6日、水素を燃料とする燃料電池と蓄電池を電源としたハイブリッドシステムを搭載する試験車両を、連携して開発することに合意したと発表した。
新造するハイブリッド試験車両「FV-E991系」は、2019年6月にJR東日本が発表しているもの。車両には水素貯蔵ユニットや、燃料電池装置、ハイブリッド駆動システムなどを搭載。水素タンクに充填した水素で発電し、車両走行用の電力とする。3社は今回、FV-E991系が搭載するシステムのうち、燃料電池装置をトヨタ自動車が、燃料電池装置や主回路用蓄電池、電力変換装置といった機器を含むハイブリッド駆動システムを日立製作所が、それぞれ開発すると発表した。
FV-E991系は2両編成で、うち1両が電動車。最高時速は100キロとなる。水素貯蔵ユニットの最高充填圧力は70MPaで、51リットルの水素タンク5本で構成されるユニットを4つ搭載する。
車両の愛称は「HYBARI(ひばり)」。「"HY"drogen-"HYB"rid "A"dvanced "R"ail vehicle for "I"nnovation」(変革を起こす水素燃料電池と主回路用蓄電池ハイブリッドの先進鉄道車両)をイメージした。車両デザインは、燃料電池の化学反応から生まれる水を、碧いしぶきと大地を潤すイメージで捉え、スピード感と未来感を持たせた。車両前面と側面には、車両に新しいエネルギーを吹き込むイメージをデザインし、ひばりをモチーフとしたロゴを描く。
FV-E991系の実証試験は、2022年3月ごろに開始予定。鶴見線、南武支線(尻手~浜川崎間)、南武線尻手~武蔵中原間で試験を実施するとしている。